10年位前、大きな地震の後。もっと大きな堤防を作るんだとテレビが言っていた頃、私は次に来るのは強毒性の新型インフルエンザだと思った。たくさん本を借りて資料を作って、施設長や副施設長を始め職場のみんなに配った。でもみんなぽかんとしていたんだ。実際、その流行病は来なかった。2年前に今回の感染ストーリーが起きた時、私はこれは怖いことが起きたと思って、みんなを揺すった。結局、私が思ったほどのことではなく、そうだそうだと言っていた人まで私のことを非難していると感じたこともあって、やっちまったなぁと思った。みんなと一緒に逃げようと思っても、みんなそれぞれ信じている情報は違うし、危機感は違うし、似たような立場をとっていても同じではないし、それぞれの行動はもちろんそれぞれが自分にとって良いと思うものを起こしていくんだから問題はないんだけれども、みんなで、なんて思ったリスクが案外あるなと思ったりする。私の中には不純なものがあるからなのかもしれないな。でもだったらそのまま、静かに自分だけ行動を起こせばいいじゃん。それぞれのところに必要な情報が必ずもたらされる。それぞれの人には力がある。必要なことがちゃんと起きる。だったらいいじゃんか。それで。もっと力のある人はさ、その力に見合ったことをすればいいんだ。私は無理なんだよ。許してケロ。