千晴さんがリコーダーをやろうと言っていて、デイの何人かのメンバーがやりたいと盛り上がっている。私も最初は参加しようと思っていたんだけど、なんとなく気持ちが変わったような感じがしている。リコーダーは小学生の時にとても大好きだった楽器だけれど、今自分が吹いているところをあまり想像できない。比べるものではないけれど、歌っているときのほうがずっと楽しいなぁ。

昨日は、骨折で入院していたコウケツさんが、やっとデイサービスに復帰してきた。もう自分を隠すのはやめると言った直後に転倒して入院してしまったので、あの宣言はどうなったのだろうかと思っていたのだけれど、彼は見事に変わっていた。表面的にはあまり大きな変化には見えないかもしれないけれど、それでも複数の職員が彼の変化に気づいていて、彼が帰宅した後に今日のコウケツさんは今までと違っていたと話したほどだった。もちろん分厚い本は持参してこなかったし、今まで自分から他の利用者に対して挨拶をしているの見たことがなかったのだけれど、昨日は声をかけていた。職員に対しても、薄皮1枚何かを剥いだような、よそよそしさが1枚取れたような、そんな印象を受けた。実は私自身も、彼に対して遠慮していた部分もあって、今回彼が復活して泥に来ることになったときに、少し心が曇るような感覚があった。それはやっぱり関係に不自然さが生じていたからなのかもしれない。でも実際に会ってみたら、私も遠慮を止めるようになっていたし、コウケツさんもあんな感じだし、無理のない交流ができた1日だったと思う。私はコウケツさんよりもずっとずっと年下なので、ともすれば失礼になるような言葉遣いもあったかもしれないけれど、言葉ではない何かが相手に伝わっている時、それは全く問題でなくなるんだと思った。